即興演奏活動

3~4歳児のグループでは、打楽器と鍵盤ハーモニカを使った即興演奏を行っています。

カスタネット、ジャンベ、パティカ、タンバリン、すず、マラカスなど、たくさんの楽器の中から、子どもたち自身が「鳴らしてみたい」と思う楽器を選びます。

そして、それぞれが自由に音を鳴らしていきます。

音楽療法士は、子どもたちが鳴らす音やリズム、テンポを聴きながら、その音に合わせてキーボードを弾いていきます。

グループリーダーも一緒に打楽器を鳴らし、みんなで音を重ねていきます。

最初は、それぞれが思い思いに鳴らしている音。

ところが、少しずつみんなのリズムが重なり、音楽としてまとまってくると、子どもたちの表情に「おや?」という変化が見られます。

「今、みんなの音が一緒になった!」

そんなことを感じているかのように、次第に音楽に意識が向き、集中していきます。

そして、表情がふっと緩んだり、笑顔になったり、ときには声が出たり。

「音を出す」ことが、「みんなで音楽をつくる」体験へと変わっていきます。

鍵盤ハーモニカは、今は上手にメロディを演奏できることを目的としていません。

大切にしているのは、自分の音が誰かの音とつながり、一緒に音楽をつくる喜びを感じることです。

「ミュージックチャイルド」に出会う

この活動の背景には、ポール・ノードフとクライヴ・ロビンズによって発展させられた「創造的音楽療法(Nordoff-Robbins Music Therapy)」の考え方があります。

創造的音楽療法では、子どもの中にある音楽的な力に目を向け、音楽を通してその子らしさを引き出していくことを大切にしています。

その中で提唱されている考え方の一つが、**「ミュージックチャイルド(Music Child)」**です。

ミュージックチャイルドとは、すべての子どもが持っている、その子ならではの生き生きとした音楽性を表す考え方です。

一人ひとりの「音との関わり」の中に、その子らしい音楽性が表れています。

音楽療法士は、子どもたちの音をよく聴き、その音に応答しながら音楽をつくっていきます。

「上手に演奏する」ためではなく、「自分の音が音楽になる」ことを体験する。

その積み重ねが、子どもたちの「やってみたい」「もっとやってみよう」という気持ちや、人と一緒に楽しむ喜びにつながっていきます。

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